三体がドラマになり配信されましたが、netflix版とテンセント版との違いは?amazonプライムとの違いは?どこでみれるのかな?テンセント版はamazonプライム、U-NEXT、wowwow、Huluでみれます。どっちをみようかなと考えている人もいると思います。そんな疑問にお答えしつつ、文庫化された小説を読もうとしている方も、netflixのドラマやテンセントのドラマとの関係はどうなっているかなどを紹介します。
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それでは、配信元の違うドラマ三体の違いと原作小説との関係をみていきましょう。
三体ドラマnetflix版とテンセント版の違い
テンセント版は30話完結で、1話が約45分程度、netflix版は8話完結で1話が56分程度です。
大分長さが、違いますね。では内容はどうなっているのでしょうか。
一言でいえば、テンセント版は原作小説に忠実なつくりで、netflix版は「三体」の各エピソードのクライマックスをぎゅっと圧縮してまとめあげ、オリジナリティを加えた感じの作りです。
じっくり派には前者が、早くわくわくする謎解きの展開をみたいという人は後者がおすすめですが、それぞれ製作者側の思惑で異なるところもあります。
一例を紹介しますと、物語の導入部分です。原作小説の冒頭で詳しく語られる文化大革命のシーンですが、netflix版では忠実に描写しています。テンセント版では物語の途中で回想的に語られています。
また、ストーリー中、三体世界より地球に送られる陽子2つが引き起こす現象が、netflix版では原作小説に直接的な表現では登場しない現象を表現したりしています。
これからドラマや小説をみたり、読んだりされる方には後者は想像できないと思いますが、特に後者は原作小説の作者が表現しようとしていたものを上手く映像化しているなと感心させられました。
また、テンセント版は、映像的にはそれほどグロい場面はないですが、netflix版はかなりあります。ちょっと流血は苦手という人は要注意ですね。
また、時間的な視点ではなく、別の視点からまとめると次のようになります。
制作スタイルとビジュアルの違い
- Netflix版: 西洋の視聴者にもアピールするための国際的な感覚に重点を置いており、映像や特殊効果がハリウッドスタイルで洗練されています。
- テンセント版: 中国国内の視聴者に焦点を当てており、中国の伝統的な要素や文化的な背景が色濃く反映されていることが期待されます。
キャストとキャラクターの解釈
- Netflix版: 多様な国籍の俳優を起用し、よりグローバルな視点からキャラクターを描いています。
- テンセント版: 中国の俳優が中心となり、原作に近いキャラクターの解釈を見せる可能性が高いです。
プロットとテーマの違い
- Netflix版: 西洋の視聴者に合わせて、政治的または文化的な要素を調整している可能性があります。
- テンセント版: 原作の物語性や複雑なテーマを忠実に追求し、より深い中国の歴史的背景を掘り下げることが予想されます。
言語と対話
- Netflix版: 英語が主要言語として使用されるため、対話やユーモアのニュアンスが異なることがあります。
- テンセント版: 中国語が使用され、文化的な言葉遣いや表現が原作の雰囲気をより忠実に再現します。
どちらをみようかなと思っている人もいらっしゃると思います。ちなみに私は両方みました。
どちらかをみると、やはりもう一方も見たくなるものですね。私はテンセント版を先に見ましたが、なかなかの感動ものでした。
その感動の余韻にひたっていましたから、netflix版の予告をちらっとみましたが、テンセント版の感動が薄れるのを恐れ、しばらくみないでいました。
でも、やっぱりみずにはいられませんでした。(笑)先にテンセント版をみていますから、要所要所で、ああなるほど、こちらではあの場面はこう表現してるんだな、などとより楽しめるようになりました。
どこでみれる?
どこでみれるかですが、8話完結のnetflix版はいうまでもなくnetflixで。
30話完結のテンセント版は現在以下でみられます。
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- U-NEXT
- wowwow
- Hulu
アマゾンプライムやU-NEXTは一か月無料サービスを行っています。視聴できるかは個人の利用状況により異なりますから、ご確認いただけたらと思います。テンセント版であれば人により当サービス利用可能だと思います。
三体小説の文庫化とドラマとの関係
中国の作家劉慈欣の長編SF小説「三体」が文庫化されました。小説は三部作となっています。
- 三体:
- 三体2部上巻、下巻:副題は「黒暗森林」
- 三体3部上巻、下巻:副題は「死神永生」
ドラマはnetflix版もテンセント版も上記1部である「三体」の内容となっています。
しかしながら、小説を読んだ人しかわからないですが、「三体」で、物理学者の楊冬(ヤンドン)の死の真相が三体3部上巻で出てきたり、netflix版では、やはり3部の上巻に出てくる登場人物の物語が語られたりしていて、必ずしも小説の「三体」と一対一で対応しているわけではありません。
言えることは小説を読むことで、疑問に思っていたことが、氷解する楽しみも味わえることです。ドラマに出てきたシーンが、あれ、これは小説の「三体」にはなかったシーンだな?と思っていると第3部にでてくるとか、そんな感じです。
著名人からみた三体の感想
「三体」は世界中で高く評価されており、多くの著名人もそのファンです。以下は「三体」を高く評価している著名人の数名と、彼らの評価ポイントです。
- バラク・オバマ(元アメリカ合衆国大統領):
- 評価ポイント: 物語の壮大さと複雑なプロットが人間性を探求している点を高く評価しており、科学的なアイディアと哲学的な疑問が組み合わさった点に魅力を感じています。
- マーク・ザッカーバーグ(Facebookの創業者):
- 評価ポイント: 「三体」の物語が提供するユニークな視点と、テクノロジーと社会の未来に対する深い洞察を評価しています。
- ジョージ・R・R・マーティン(作家、『氷と炎の歌』シリーズの著者):
- 評価ポイント: 劇的で予測不能なプロットと、リアルで複雑なキャラクター構築を称賛しています。また、科学とファンタジーの要素が融合している点も高く評価しています。
三体ドラマのあらすじとおもしろさ、小説について
ドラマは1話1話なぜ、なぜ、なんだろうと引き込まれる展開が続き、推理小説ばりの面白さです。
テンセント版とnetflix版とでドラマの内容は異なる部分がありますが、主にあらすじとして共通な内容をお伝えしますね。キャストの男女が入れ替わっていたりします。
タイトルの三体は、物理学上の三体問題から名付けられたものです。タイトルからしてなぜ?と思いますよね。
テンセント版の三体は、世界で第一線で活躍する物理学者の自殺が多発するところから始まり、netflix版の三体は文化大革命の最中、科学者・葉文潔(イエ・ウェンジェ)の父親が惨殺されるシーンから始まります。
両者のスタートは異なりますが、netflix版の三体のスタートは原作小説の出だしと同じ設定で、テンセント版のものは、後から葉文潔の回想として描写されています。
いずれも、この物語の起点となる出来事は、天体物理学者の葉文潔が地球では「三体問題」として未解決とされる天体の運行予測の困難な環境下にある異星との通信を開始してしまったことです。
なぜ、どうやって葉文潔は何光年も離れた地球外文明と交信ができたのか、あるいはその目的は何かなど、物理学者の不可解な自殺や、地球で起きる地球人類では不可能な奇妙な出来事……。
三体世界の文明を精緻な3Dゲームの中にプログラミングし、発生と消滅を繰り返しながら、進化していく三体世界文明。ゲーマーが三体世界の支配者の、意図する答えをだしクリアしたもののみステージアップしてゲームを継続させる。
全てクリアしたものは、オフ会に参加する権利を得て、三体世界の支配者の配下に繋がる地球の「同志」となるか否か決断を迫られる。否定したものは……。このゲームの意図するところは、何なのか。
このゲームは三体世界の奇妙な天体運行を模してヴァーチャルリアリティの世界として見事なまでに描いています。
また、その住人は厳しい環境を逃れ、生命を維持するために「脱水」という手段で生き延びます。この描写がまた見どころでもあります。
とにかく謎だらけの展開から、徐々にあかされる三体世界に住む異星人からの地球侵略の陰謀と地球人類との闘いを見事なまでに描いています。
三体世界の宇宙船が400年後に地球に到達する前に地球に送る陽子2つを先に送る深い意味と物理的な背景。
陽子2つに何ができるのか?智子プロジェクト(ソフォンプロジェクト)と三体世界の支配者が名付けるその意味は?
クライマックスは物語の初めから登場する主人公の一人であるナノ応用物理学者の王淼(ワン・ミャオ)が開発したナノマテリアルを奇想天外なアイデアで警察官の史強(シー・チアン)が利用することを提案し実行されます。
これにより、三体世界の支配者に従属する地球人の総統マイク・エヴァンズから、三体世界との交信記録を奪取することに成功します。
これには罪もない者の命さえ奪ってしまうゆえの葛藤が、王淼の心を揺さぶります。数人を犠牲にし、地球人類を救おうとする道義的な意味が問われます。
テンセント版のドラマは、中国を基点におき、登場人物のそれぞれの立場からの考えや、葛藤、家族とのふれあい、圧倒的な科学力の差があり絶望的な状況でもあきらめずに闘う意志を取り戻す心の過程なども、シリアスに描いています。時にコミカルに描き、みるものを現実世界に引き戻したかと思えば、超現実的な異世界へと誘います。
史強隊長が王淼の愛娘豆豆(トウドウ)を預かるシーンでは、史強が、アイスクリームや、まだ食べちゃいけないよといわれているものを食べさせたり、危ないから、まだしてはいけないと言われているスケートなどにも連れ出してしまいます。
孫を甘やかして可愛がるように接する史強隊長に対して豆豆が悪びれず素直に受け入れてしまう可愛さは何とも微笑ましく、王淼が豆豆から美味しいものを食べたり、スケートで楽しく遊んだりした報告を呆れて聞いたり…。
豆豆は可愛い小さな女の子ですが、喜怒哀楽が子供らしく素直で、とても愛らしく微笑ましいです。
かたやnetflixのドラマは、登場人物を多国籍の恋愛観も異なる人種を基点として、大人の人間関係を表現しています。
オリジナルのストーリーでは、余命宣告を受けた元物理学者志向の若者の脳を地球人類を救うためのロケットに冷凍保存処理を施し、三体世界から送られてくる艦隊の情報収集に送り出すシーンがあります。
地球を救うプロジェクトの一員である中国人物理学者の女性に思いを寄せてきた若者ですが、ずっと告白できずに死の間際になって告白し、彼女のためにこの計画に脳が参画することに合意したわけですが、計画は失敗し、暗黒の宇宙空間を一人(?)旅することになります。これは小説の「三体第3部上巻」の物語に出てくるシーンですね。
netflix配信のドラマは登場人物を取り巻く友人関係や、恋愛関係などもヒューマンドラマとして克明に描かれています。
三体世界とボイジャー1号のこと
ヤフーニュースでボイジャー1号が通信トラブルで通信が途絶えた記事を読みました。今は復旧したそうです。
その時、ボイジャー1号から見た白い「点」が地球なんだという現実。今までは遠くの星を眺めて、その存在の不思議さを最初は感じていましたが、何度も眺めているうちに慣れてきて、こういうもんなんだと特に感慨もわかなくなってきていました。不思議に浮いている(?)月を見ても。
そこでボイジャーのニュースで、その時点で、245億キロ(2023年)離れた宇宙空間からみた白い点の地球。その小さな点の中で、人類の一人一人、あるいは、生物の意識がある。人では特に悲喜こもごもの人生があるという事実。
あらためて宇宙の創造主や、地球の存在、月の不思議さなど思い起こした際に、偶然、行きつけの本屋で見た「三体」の文庫本。
物理学の三体問題は以前から知っていたので、おや、あの三体?と思い、手にして、解説を読んで購入しました。
中国の文化大革命からスタートしていて歴史にあまり興味のない私は、まずドラマ化されているなら、ドラマで見ようとU-NEXTで見始めて、面白くて止まらず毎日毎日楽しみに30話まで見てしまいました。
ドラマの中で?と思うところを並行して読んでいた文庫本の「三体」を参考書替わり(笑)にして、なるほど、なるほどと読んでは、ドラマ、ドラマから参考書と2倍面白く楽しめました。
陽子の次元展開のシーンなど、まさに参考書が役に立ちました。ドラマで何をしてるのか全く意味がわからなかったからです。
SF作品でこんな楽しみ方をしたのは初めてですね。いつもはどちらかが先で、シリアルに繋がっていましたから。
やっぱり「三体」は超大作と言われるだけあるなと思いました。ご参考まで。
三体ドラマのまとめ
ドラマは配給元により内容が異なります。
テンセント版は30話完結で、1話が約45分程度、netflix版は8話完結で1話が56分程度。
内容はnetflix版は多少のオリジナリティを盛り込んだストーリー展開、ただしあくまでも原作のコアになる部分からは逸脱していません。
また、テンセント版は原作小説にほぼ忠実なストーリー展開です。
現在テンセント版はアマゾンプライムビデオ、wowwow、Hulu、U-NEXTで配信されてます。
原作小説との関係は、テンセント版もnetflix版も基本は、「三体」小説の第1部をドラマ化したものです。
しかしながら、当記事の途中にも書きましたが、第3部の内容が登場したりするというか、netflix版は第3部も入っていると言った方が正解か、わかりません。なんせ私は小説の第3部上巻を今まさに読んでいるところだからです。
面白くてたまらない小説です。早く次のドラマ化してほしくてたまりません。もはや私のバイブルに近い本になっています。(笑)
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