電子工作の入門キットでおすすめはどれがいいか。電子工作を趣味にしようとしている初心者向けにキットのおすすめを紹介します。また、電子工作を趣味にするメリットもお伝えします。
こんな悩みはありませんか。
- 電子工作を始めてみたいけど何から手をつけていいかわからない。
- ただ見た通りに作るだけではなくて理屈も知りたい。選ぶ基準はなんだろう。
- 実際に入門キットは何を選べばいいのかな?
- ラズベリーパイ(Raspberry Pi)とアルディーノ(Arduino)って何だろう?
- 電子工作を趣味にするメリットは何だろう?
確かに全く電子工作初めての人が何から手をつけたらいいのか、他の人はどうやってはじめてるのか知りたいし、とにかく入門キットを手に入れて始めてみたいんだけれど…と悩むのは当然だと思います。
そこで電子工作初めての人が何から始めたらいいか、またどのような入門キットを購入したらいいかを調べてみました。また、電子工作初心者から次の段階に進んだときに必ず必要になるラズベリーパイとアルディーノについてお伝えします。
- 電子工作を始めるには、まず初心者向けの電子工作キットを購入して実際に作ってみることです。
- 初心者が電子工作キットを選ぶ基準は、電子部品の動きから学べるものを選択することです。
- 実際に購入するなら「KeeYees 電子工作キット 初心者向け」がおススメです。
- ラズベリーパイ(Raspberry Pi)を一言で表すなら「ミニコンピューター」、アルディーノ(Arduino)を一言で表すなら「マイクロコントローラー」前者はOSあり、後者は無し。詳しくは以下の詳細記事をご参照ください。
まずは電子工作に必須の電子部品の知識と組み合わせて回路を構成し機能させることを手を動かして実体験することから始めましょう。こちらが初心者おすすめのキットです。LED点灯、鳴らすブザー、流れる点滅タイプの点灯などなど、11のレッスン形式で基本が身に着きます。↓

電子工作の初心者が何から始めるといいか、また、電子工作キットを選ぶ基準や実際のおすすめキット、そして電子工作をすることのメリットなどを詳しく説明します。
電子工作キットを実際に作ってみることの意味と理屈を学ぶことの意義とは
手を動かして作ることの意味
電子工作の入門キットを購入し、勉強しながら作り上げることには多くのメリットがあります。本で電子工作の記事を読んだりして頭ではわかったつもりでいても、実際作っていく過程で、トラブルが発生したり、うまく組立られなかったりという経験が電子工作に限らず、物作りにはあると思います。

実際手を動かして作ってみることは、キットの組み立てやトラブルシューティングを通じて、問題解決能力を養うことができます。実際の問題に直面し、それを解決する過程で学ぶことは非常に価値があります。
私も既に高齢者の仲間入りをしていますが、「ボケ防止」にも役立っていると実感しています。
今まで人により携わってきた仕事は違うと思います。全く電気(電子)にかかわりの無いお仕事の場合は、電子工作や、エレクトロニクスなど新鮮な感覚で接することができると思います。
仕事と違うことは、納期もなく、自分のペースで好きなだけ、どっぷりと楽しめるのが電子工作です。
最初のうちは、今まで全く知識の無かった電子部品を知り、機能を持たせた電子部品の組み合わせである電子回路を構成してみる。
次はその電子回路を制御するプログラミングを学び、いろいろな興味を持つキットを組み立てたり、自分で部品を購入して組み上げて動かしてみる。
さらに自分が、こういうものがあったらいいなとか、便利だなというシステムを考えてみて設計して作ってみる…などなど、楽しさは無限大です。
理屈を知ることの意義
また、電子工作にチャレンジしてみようと思う初心者は少なからず知的好奇心を満足するものを選びたいと考えると思います。また、それは次のステップに行くための大事なポイントですね。
ただ用意された部品や、コンポーネントを設計図通りに組み立てて動くことを楽しむだけでは勿体無いです。作って動かして終わりではちょっと虚しいですね。なぜでしょうか?
それは、理屈が伴わないからです。なぜ、ここに抵抗を挿すのか、コンデンサを入れる意味は?などなど。「なるほど」とある種の感動を呼ぶためには、まずは次のことを学ぶことをおすすめします。
- いろいろな電子部品を知る
- 電子部品ごとの物理的性質と役割を知る
- 電子部品を組み合わせることで何ができるかを知る

理屈を知りつつ作ることで得られることは
家庭の電化製品など、身近な例では電子レンジや、インターフォン、電気炊飯器などなど、マイコン制御の電化製品がどのように作られているのかなど、電子工作を、その理屈とともに勉強しながら作り上げることで、電子工学の基礎が学べて、それぞれの仕組みも理解できるようになります。
電子工作の入門キットは、これらのメリットを提供し、初心者にとって電子工学の世界への素晴らしい入口となります。
おすすめの教本・電子回路を理解するために
私は某電機メーカーで、アンプの設計などアナログの電子回路を設計していた経験から言えることは、電気回路や電子回路は計算通りに動作するということです。
また、回路が読めたら、楽しさが何倍にもなるということです。この回路はどういうことをしているのか、どうやって抵抗値や、コンデンサの容量を決めるのか、周波数特性は…、などなど。
自分の設計した回路が思い通りに動作することの楽しみは何事にも替えられない達成感と、知識欲を満たしてくれますし、先人が考えた、ある動作をするための回路、例えば発振回路など、その動作がわかるとすごく楽しいです。
電子回路は大別してアナログ回路とロジック(論理)回路とにわかれますが、ロジック回路も元は電子部品の組み合わせで、アナログ回路の知識も必要となります。まずはアナログ回路で電子素子の特性から学ぶことをおすすめします。
複雑に見える回路図も、いろいろな機能をもった回路の組み合わせです。ブロックにわけて理解すれば、自分で、ある機能をもたせた回路が設計できます。
そんな回路を設計するための基礎が実例を写真つきで詳しく説明してくれている、おすすめの教本がこれです。↓

少々高い本ですが、電子工作キットを組立ながら、少しずつ並行して読んでいくと、なるほど、なるほどと、引き込まれていく本です。一読をおすすめします。
電子工作を趣味にするメリットは?
電子工作を趣味として行うことのメリットは、年齢層によって異なる側面があります。それぞれの年代ごとに見ていきましょう。
若年層(子どもたち)
- 学習と発達: 電子工作は、子どもたちの科学、技術、工学、数学(STEM)に対する興味を刺激します。手を動かしながら学ぶことで、複雑な概念をより理解しやすくなります。
- 創造力と問題解決スキル: 電子工作を通じて、子どもたちは創造力を発揮し、実際の問題に対する解決策を考え出すことができます。
小学校などで、夏休みの自由研究などにもってこいの題材が電子工作です。
電子部品を組み合わせて、光らせる、音を出す、動かすなど、今や小学校の授業でもプログラミングは取り入れられており、大人も子供も一緒に作ることで、親子のコミュニケーションの手段にもなります。
何と言っても作り上げて、思い通りの動きをした時の歓びはなにものにもかえがたい達成感があります。
若者(ティーンエイジャーと若い大人)
- キャリアスキルの開発: 電子工作の経験は、エンジニアリングや技術関連のキャリアに役立ちます。実際のプロジェクトに取り組むことで、就職市場で求められる技術的スキルを身につけることができます。
- 革新と実験: この年代は新しいアイデアや技術に対して開かれており、電子工作は革新的なプロジェクトを実現する素晴らしい手段となります。
現代社会では欠かすことのできないエレクトロニクスの技術に触れることで、将来エンジニアになることを目指すきっかけになるのが電子工作です。
中年(大人)
- 趣味としての楽しみ: 電子工作は、日常の忙しさから離れて創造的なプロジェクトに没頭する機会を提供します。これはストレス解消にもなり得ます。
- 生涯学習: 新しい技術やスキルを学ぶことは、脳を活性化させ、知的好奇心を満たすことができます。
幼少の頃に家電品を分解して、もとにもどせなくなって怒られたりした経験がある人もいると思います。仕事に追われ、いつの間にか好奇心も薄れてしまったとき、もう一度あの頃の気持ちを思い出し、あらためて新鮮に電子工作に取り組んでみるといいと思います。
高齢者
- 認知機能の維持: 新しいことを学び続けることは、脳の健康を維持し、認知症のリスクを減らすのに役立つことが知られています。
- 社会的つながり: 電子工作のコミュニティやクラブに参加することで、同じ趣味を持つ人々との交流が生まれ、社会的なつながりが深まります。
各年代に合わせて、電子工作は学び、楽しみ、技術開発、社会参加の機会を提供してくれますね。

ラズベリーパイ(Raspberry Pi)とアルディーノ(Arduino)の違い
一通り電子部品の役割や、基本的な回路の作り方を学んだあとには、自分で、電子部品を組み合わせた回路を組んで、制御したいと思うのではないでしょうか。
その時に必要な知識がプログラミングです。代表的なツールとしては、ラズベリーパイとアルディーノがあります。
ラズベリーパイ(Raspberry Pi)とアルディーノ(Arduino)の違いを簡単に説明します。
ラズベリーパイ (Raspberry Pi)
- フル機能のコンピューター: ラズベリーパイは、OSを実行し、様々なアプリケーションを動かすことができるフル機能のコンピューターです。
- プロセッサ: 強力なプロセッサを搭載しており、複雑な計算やデータ処理が可能です。
- メモリ: 多くのメモリを持ち、複数のプログラムや大きなデータを同時に扱うことができます。
- オペレーティングシステム: LinuxベースのOS(例:Raspbian)を使用します。
- 用途: マルチメディア、ゲーム、ウェブブラウジング、サーバー運用など、多目的に使用できます。
- 入出力: HDMI、USBポート、イーサネットポートなどを備えています。
ラズベリーパイの電子工作キットのおすすめはこちらです。ラズベリーパイのメインボードは別売りとなっています。

ラズベリーパイのメインボードの一例です。↓RAMは4GBです。他には8GBのものなどあります。ショップ内から自分の目的にあった仕様のものを選んでください。

アルディーノ (Arduino)
- マイクロコントローラーボード: アルディーノは、シンプルなマイクロコントローラーボードで、特定のタスクを実行するために使用されます。
- プロセッサ: 比較的低性能のプロセッサで、シンプルなタスク向けです。
- メモリ: 限られたメモリを持ち、小規模なプログラムの実行に適しています。
- オペレーティングシステム: 専用のOSはなく、シンプルなスケッチ(プログラム)を実行します。
- 用途: 主にセンサーの読み取り、モーターの制御など、特定の電子工作やプロトタイピングに使用されます。
- 入出力: GPIOピンを介してセンサーやアクチュエーターと接続します。
これらの違いを理解することで、プロジェクトの要件に応じて最適なデバイスを選択できます。
ラズベリーパイとアルディーノは、その特性に応じて異なる種類の電化製品やプロジェクトで使用されます。以下にその例を挙げます。

ラズベリーパイの使用例
- ホームサーバー: ファイル共有、メディアサーバー(例:Plex)、Webサーバーなどのホームネットワーク用途。
- メディアセンター: テレビに接続して、ビデオストリーミングやゲームを楽しむためのメディアセンターとして。
- 教育用コンピューター: プログラミング学習やコンピュータサイエンスの教育用途。
- DIYプロジェクト: スマートミラー、天気ステーション、自動ペットフィーダーなど。
- IoTデバイス: スマートホームデバイスやセキュリティカメラシステムなど。
アルディーノの使用例
- 電子工作: シンプルなLED点滅、温度センサー読み取り、小型の電子工作プロジェクト。
- ロボット制御: 小型ロボットやドローンの制御、自動走行車など。
- 環境モニタリング: 温度、湿度、照度などの環境データを監視するシステム。
- ウェアラブルデバイス: 手作りのウェアラブルガジェットや衣服に組み込むプロジェクト。
- 教育用ツール: 電子工学やプログラミングの基本を教えるためのツールとして。
これらの例からわかるように、ラズベリーパイはより複雑なコンピューティングや多機能なプロジェクトに、アルディーノは特定の機能を持つシンプルなデバイスや教育用途に適しています。
電子レンジ、炊飯ジャー、冷蔵庫などの家庭用電化製品は、ラズベリーパイやアルディーノのいずれかと直接的に「分類」されるわけではありませんが、それぞれの特性を考慮すると、アルディーノの使用に近い側面があります。以下の理由によります。
アルディーノの特性と電化製品
- 特定のタスクの制御: アルディーノは、特定のタスクやプロセスを制御するために設計されています。電子レンジ、炊飯ジャー、冷蔵庫などは、温度制御、タイマー、基本的なユーザーインターフェースなど、特定の機能を実行することが求められます。組み込みシステムと呼ばれます。
- 低消費電力とシンプルな操作: これらの電化製品は、簡単な操作で特定のタスクを実行するように設計されています。アルディーノは、このようなシンプルな操作に必要な低消費電力の制御を提供します。
- リアルタイムのセンサー読み取り: 温度センサーやタイマーなどのリアルタイムのセンサー読み取りとそれに基づいたアクションは、アルディーノが得意とする領域です。
ラズベリーパイの特性とは異なる点
- 高度なコンピューティング能力: ラズベリーパイは、フル機能のオペレーティングシステムを実行し、複雑な計算や高度な処理を行う能力を持っていますが、通常の電子レンジや炊飯ジャー、冷蔵庫にはこれほどの処理能力は必要ありません。
ただし、これらの電化製品を「スマート化」する場合、例えばインターネットに接続してリモート操作ができるようにするなど、ラズベリーパイを使った改造やアップグレードが考えられます。この場合、ラズベリーパイの高度なコンピューティング能力とネットワーク接続機能が活かされるでしょう。
電子工作キット初心者おすすめと電子工作を趣味にするメリットのまとめ
電子工作を始めてみたいけれど、何から手をつけたらいいかわからない初心者には、電子部品の種類や、役割、組み合わせて何ができるようになるのかなど、手を動かして実際に試してみるにはこちらがおすすめです。↓

電子工作を趣味にするメリットは、
- 自分の手を動かし、作り上げる喜びを味わうことができる。また、年少者には自由研究の題材になったり、年齢により将来のエンジニアへの道へ進むきっかけとなる場合や、高齢者などは、ボケ防止や社会参加への橋渡しとなることもある。
- 身近な電化製品や、電子機器の仕組みが理解できるようになり、より高度な勉強をすることで、実現してみたい機能をプログラミングして電子回路経由でロボットや、目的の機械などを動かすことができるようになる。
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